■2000年、さらなる学会の飛躍に向けて


アジア政経学会ホーム・ページを設置するにあたって

天児 慧

天児 慧 2000年という節目の年にあたってわが学会を振り返って見れば、設立が1953年ですからすでに半世紀近くの歳月を経たことになります。私が大学院生で学会に参加し始めた30年ほど前を思い出してみますと、全国大会でも参加者100名を超えればよく集まったと言われ、今城治子さん(特別会員)がまさにボランティア的に1人で事務局をし切っておりました。このように規模としては大きくなかったのでありますが、それはそれでとてもアット・ホームな雰囲気でした。他方、ここ数年を見てみますと会員数の上でも学会としての研究活動の上でも飛躍的に発展しております。近年、いわゆる「ゆうれい会員」を大幅に整理したにもかかわらず、現時点で会員数は約1100名の規模になっており、地域研究学会としてはわが国最大の学会であります。さらに国際的な学界レベルでも注目されるようになり、特にアジア太平洋地域のアジア研究諸学会から研究・学術交流促進の要望が高まっております。
 こういった状況はいうまでもなく大変喜ばしいものでありますが、執行部の業務体制が近年大幅に増大し、煩雑になっております。にもかかわらず事務局は総務担当理事(事務局長)の所属する大学の研究室に置き、財務の処理も担当理事が素人ながら四苦八苦しつつ処理し、学会誌の編集も担当理事が自分で最後の校正をしながら印刷屋に依頼するといった状況であります。このようにボランティア的に行っている業務担当理事の心労と負担は相当なものですが、おそらく会員の皆様には十分理解されていないところと思います。さらに、こうした旧態依然の業務体制に対して、昨今の政府行政改革絡みで財団法人の「整理・見直し」の波もあり、わが主管部局の外務省中国課からも、早速にしっかりした業務体制の確立と財団法人として社会貢献に努力するよう強く要望されている次第であります。さらに、ここ10年来の最大の変化は情報化の急速な進展であり、パソコンを利用した学術情報の交換、膨大な学術資料の収集・整理はそれを示しています。
 したがいまして、先のニューズレターにも書きましたが、新執行部の任務は、この間の学会の質量あわせた「持続的発展」のペースを維持しつつ、手工業的な従来の業務体制を抜本的に改め、さらにアジアの中の「アジア政経学会」を目指すべく、情報化、国際化を一段と進めて行く、そうした「土台作り」にあると考えました。昨年暮に発足した新執行部はすでにこうした点で、積極的な取り組みを開始しております。会員名簿管理体制、会費納入・チェックや補助金確保などの財務体制、学会誌・ニューズレターの編集・発送など編集業務体制、「若手研究者」への機会の増大など研究会活動体制の見直し、改革などについての検討を進めております。 ところでそうした業務体制の拡充や合理化、会員との情報交換、学会の社会的貢献、学会活動の国際化などの面で、キー・ポイントになるのは、学会ホームページの立ち上げであると考えます。ホームページを活用することによって、入会の申し込み、会員の名簿内容変更の連絡、学会誌編集や研究大会・月例研究会の速やかな情報提供、関連学会や会員の研究活動情報の交換、会員からの様々な要望の受信と会費徴収などの業務発信の迅速化などが飛躍的に容易になって行くと思われます。とりあえずはこれくらいをカバーできるホームページからスタートし、近い将来には英文ホームページも含めもっと広範な活用が可能となるようなホームページにして行きたいと思っております。
 ホームページが軌道にのってくれば、次は学会誌「アジア研究」の装丁・内容を含めた編集企画の改革に入っていきたいと思います。以上のような諸問題への取り組みから考えて、この世紀の変わり目はわが学会にとって重大な転換点であるといえるでしょう。そこで会員皆様の積極的なアイディア、提言を期待しておりますので、何かありましたら末廣事務局長か私のところにご連絡下さい。