■ご挨拶:新たなステージに向けて


獨協大学 金子芳樹

  振り返ってみれば、私がアジア政経学会に入会してから、すでに30年の月日が流れました。その割に学会への貢献度は高くありませんが、私にとって本学会は常にかけがえのない研究活動の場であり、様々な面で鍛え育ててくれる道場のような存在でした。このたび理事長への指名を受け、その重責をずしりと感じるとともに、これを30年間の学恩に報いる好機として、非力ながら精一杯役目を果たしていこうと思います。会員のみなさまには、ご指導、ご支援のほど、どうぞよろしくお願い致します。
 今期、学会が取り組むべき課題として、大まかに次の3つのことを考えています。第一に、時代の変化を汲み取りつつ、本学会の特徴を見据えながら研究活動の充実を図ることです。各分野でアジア研究の重要度が日増しに高まるなか、本学会への期待が強まっていることは言を俟ちません。一方、アジアを研究対象とする学会の多元化・細分化、研究者自身の所属・参加学会の多様化、学会活動のグローバル化、外国人会員の増加といった環境変化のなかにあって、本学会の立ち位置を、長期的、戦略的な観点を踏まえて改めて考えてみる時期にあるように思います。この点については、執行部の研究企画部門や編集部門を中心に、本学会の特徴と強みをうまく発揮できるような企画や仕組みを考え出していきたいと思っています。
 第二に、会員各層が学会の機能を十分かつ効果的に活用できる環境作りです。これまでも歴代理事長の下で、年3回の研究大会の改革・拡充、機関誌『アジア研究』の刷新、ホームページやニューズレターの発信機能の強化、若手研究者育成を目指した定例研究会の設置などが図られてきました。この方向性を継続し、研究大会・研究会では、ベテラン・中堅・若手各層が有機的に絡み合い、互いに切磋琢磨し合える環境をさらに整備するとともに、会員が学会機能をより手軽に活用でき、会員それぞれの研究活動が学会とより密接にリンクしたものとなるよう、学会誌、ホームページ、ニューズレター、メーリングリストなどのあり方を工夫していきたいと考えています。
 第三に、公益法人制度改革に沿った組織改革です。これまでもお伝えしてきた通り、現在、本学会は一般財団法人(非営利型)への移行に向けた準備を進めています。すでに新定款案は完成しており、今後は財務関係の計画作りと申請書作成を経て、2012年夏に内閣府に移行申請を行い、2013年4月から新法人としてスタートすることを目指します。関連の担当理事を中心に係る業務に取り組んでいきますが、移行に際しては会員のみなさまにも、新たな役員選出方法や研究大会・総会のあり方などをご理解いただき、新制度への適応にご協力いただきたく思います。
 上記のいずれもが、長期にわたって取り組んでいかなければならない課題であり、今期のうちにすべてに成果が出るとは限りませんが、アジア政経学会が新たなステージに向けて発展を続け、その中でアジア研究を支える研究者の方々がのびのびと活躍できるよう、少しでも力になりたいと思っています。
 学会運営は多くの方々のボランティアワークとそれを支える熱意によって成り立っています。これまで理事などの役員として献身的に携わってこられた方々、そしてこれから携わってくださる方々には、この場を借りて深く感謝申し上げます。会員のみなさまには、学会への熱いご支援を、また学会活性化のためのアイデアとアドバイスを、そして何より学会活動への積極的なご参加を、心よりお願い致します。

高原明生前理事長挨拶へ
加藤弘之元理事長挨拶へ
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